空メールと自動返信(2)
前回の空メールと自動返信では、「空メール」を送信してもらい自動返信する仕組みについてご説明しましたが、今回はその後の処理について説明します。
通常、自動返信されるメールには、氏名や住所などを登録するためのフォームのURLが記載されています。
登録する場合には、そのページにアクセスして氏名や住所などの情報を入力して登録するわけですが、そのフォームで処理された情報をどのようにデータ化して管理するかが大切なのです。
安全なデータ管理をするには
ASP業者の提供するサービスを利用している場合は、ほとんどの場合、その業者のデータベースサーバーに直接データが登録されますので、特に気にすることはないと思いますが、自社で情報を管理する場合、業者任せというわけにはいきません。
ウェブに連動したデータベースを用意しておいてそこに直接書き込む仕組みにすれば便利ですが、レンタルサーバーを利用している場合などは、安易に個人情報をデータベースに登録することはセキュリティ上好ましいものではありません。
データベースサーバーが、ウェブサーバーなど外部にIPアドレスを公開しているサーバーと物理的に分離した状態で用意できて、セキィリティ上も問題ないということでなければ個人情報を登録するのは危険だと思います。
そこで、考えられるのが、ウェブに連動したデータベースではなくウェブに連動していないデータベースで個人情報を管理する方法です。
ウェブと連動していなければ、インターネット経由で情報が漏えいする可能性はなくなりますので、外部からの攻撃に対して情報を守るという意味では万全になります。
その場合のデータを管理するのは、Accessなどでもいいですし、OracleやSQL Serverなど情報がきちんと管理できるもののであれば特に問いません。
登録フォームからはメールで送信されてくる場合も多いので、そのままメーラー（Outlook等のメールソフト）の中で管理している方もいるかと思います。
メールで受信したものを、ExcelやAccessなどにコピペして登録している場合もあるでしょうし、サーバーにCSVなどのファイル形式で仮に保管しておき、それを定期的にダウンロードする方法で管理している場合もあるでしょう。
ただし、メーラーはメールを送受信するためのものですし、Excelは表計算するためのソフトです。
情報をきちんと管理するのであれば、Accessなどのデータベースで管理するのが基本だと思います。
データはただ溜めておくだけで活用しないのであれば、なんの意味もないからです。
効率的にデータを移す方法
では、どのようにAccessなどのデータベースにフォームから登録されたデータを移すかですが、件数が少なければ手作業でメールからコピペということも考えられます。しかし、手間がかかりますし、人間がやることですからミスも発生します。
せっかくデジタルで来ているものをわざわざアナログ作業で処理することもないので、このような処理に適したソフトウェアを使うと効率がよくなります。
登録フォームから送信されてきたメールの氏名、郵便番号、住所、電話番号などを項目ごとにきちんと分けて整理しデータベースに格納してくれるソフトがあるのです。
代表的なものが、BitplusPROというソフトです。
BitplusPROは、メールをデータベース化するための専用ソフトウェアで、このソフトを使えば、誰でも簡単にメールの情報をきちんと分類・整理してデータベースに移すことができるのです。
「空メール」を送ってもらい、自動返信メールを送信し、そのメールに記載の登録フォームから情報を登録してもらって、その情報をデータベースに格納するまでの流れは終了です。
今回、ウェブに連動したデータベースに直接情報を格納する方法と、ウェブと切り離したデータベースで管理する方法を説明しましたが、どちらの方法が適しているかは、データの内容と活用方法によります。
ふたつの方法を組み合わせて管理する場合もあるでしょう。
たとえば、個人情報をウェブ上で利用する必要がある場合は、データをウェブと連動したデータベースで管理する必要がありますし、ネットショップなどで受注処理を行うことが目的であればウェブ上にデータがある必要はない場合もあります。
どうすべきかを十分に検討して最良と思われる方法でデータを管理し、漏えいリスクに備えることが大切なのです。
